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家相とは?注意するべき位置や向きは?

家相は文字通り「家の相」をみる占術のことで、家の間取りや方位などから吉凶を判断します。家相はもともと中国で生まれた占術の一つでしたが、日本独自の発展を遂げ、今や家を建てたり引っ越しする際などに欠かせない要素としても有名です。

今回はそんな家相の特徴や占い方、注意点などについて解説いたします。

家相とは?

家相とは?家相とは、家の外観や間取り・方位などを元に物事の吉凶や運気を読み取る占いです。家相は中国で誕生し、奈良時代に日本に輸入されたといわれています。

歴史

もともと中国の家相には住宅を「陽宅風水」、お墓を「陰宅風水」とする基本思想がありましたが、日本では陽宅風水の考え方に日本の文化や生活習慣などが加えられ独自の家相として発展したといわれています。また、陰陽道に影響を受け、平安時代には陰陽師によって使用されていた記録が残っています。

江戸時代には庶民向けの家相書が多く出版され、庶民の間で大ブームになったと伝えられています。中には風紀を乱すとして幕府から禁書扱いされた書籍もあったようです。

明治時代に入ると、家相は邪教の一種と捉えられ戦後まで禁止・停止されました。戦後には建築学や地理学などの分野から家相の研究が始まり、科学的な根拠や迷信など様々な観点から考察されるようになります。

現在では住宅建設や引っ越しの際の間取りの確認のために広く活用されています。なお、日本の家相界にはいくつかの流派があり、九星学を基準とした流派や風水を基準とした流派、九星学と風水両方を使用する流派などが存在します。

風水との違い

家相は風水と混同されることがありますが、主に以下のような違いがあるといわれています。

家相 風水
方位や間取り、張り・欠けをみて吉凶を判断する 土地の地勢や地脈・気候などを総合的にみて吉凶を判断する
鬼門(北東)・裏鬼門(南西)を凶方位とし、東、東南、西北を吉方位とする 一概に凶方位を定めず、住む人の出年や建物の方位などで吉凶方位を判断する
家具や家電などの置き方などは特に決まっていない 家具や家電の置き方・向きなどが決まっている

特徴

家相では、家の間取りなどを元に運気や吉凶の判断を行います。特に重要視しているのが「方位」で、家の中心から見た東西南北に北東・東南・南西・北西を加えて「八方位」とし、それぞれの方位に九星や十二支・家族の位置などを割り当てています。

方位 九星 十二支 家族 意味
一白水星 壬・子・葵 次男 人間関係・コミュニケーション
北東 八白土星 丑・艮・寅 三男以下 鬼門・不動産・相続
三碧木星 甲・卯・乙 長男 商売繁盛・発展・成功
南東 四緑木星 辰・巽・巳 長女 出世・成功・結婚
九紫火星 丙・午・丁 次女 精神的安定・地位・名誉
南西 二黒土星 未・坤・申 母・妻 裏鬼門・家庭・基盤
西 七赤金星 康・酉・辛 三女以下 金運・経済・恋愛
北西 六白金星 戌・乾・亥 主人 親子関係・充実感

この中で特にポイントとなるのが凶の方位を表す「鬼門」と「裏鬼門」です。鬼門は陰陽道では文字通り鬼が行き来する方位と考えられ、あらゆる物事に忌むべき方位とされています。また、鬼門の反対側に位置する裏鬼門も凶作用のある方角として知られています。

その他、家相では家の「張り」や「欠け」も鑑定材料になります。張りとは間口の3分の1以内の出っ張った部分のことを指し、鬼門と裏鬼門以外は吉とされます。欠けとは間口の3分の1以内の凹みのことで、どの方位においても凶とされています。

家相では八方位や張り・欠けなどを中心に物事を占うことになります。家庭運や人間関係・経済状況などを読み取るほか、家族一人一人の運気や問題点などを知ることも可能です。また、八方位のエネルギーを取り入れることで住まいに良いエネルギーを巡らし、運気アップや災難予防に役立てることができるとしています。引っ越しや住宅建設の際はもちろん、模様替えやリフォームを行う場合も大いに参考になるでしょう。

やり方の手順

やり方の手順家相は自分でもチェックすることができます。ここではポピュラーな家相の見方について解説しますが、流派などによって判断方法が異なりますので、より詳しく知りたい場合は専門の鑑定師に依頼することをおすすめします。

準備するもの

● 家の間取り図
● 方位盤(方位を確認するためのアイテムで、ネット通販などで販売されています。)

占い方

1、家の外観などチェック

家のデザイン

家相では、張りや欠けが少ないシンプルなデザインの家が吉とされています。凝ったデザインの家は個性的でおしゃれですが、凹凸が多かったり不自然さなどが感じられる場合はあまり良くない家相とされています。

玄関

家相では、玄関が東・南東・南にある場合は吉、鬼門(北東)・裏鬼門(南西)・鬼門方位の45度の範囲内・住む人の十二支に当たる方位にある場合は凶といわれています。また、玄関が家の張りとなっている場合は吉で、欠けとなっている場合は凶ともいわれています。

ガレージ

家相ではガレージと家の間隔を2m以上開けるのが理想的といわれています。また、建物の内部にガレージを設置するインナーガレージは家の欠けにもなり、外気の冷えなどを家の中に持ち込みやすくするため家庭不和が起こりやすくなるとされています。

2,家の内部。必要に応じて方位を確認しながらチェックしてください。

家の中心部分

家の中心は「宅心」とも呼ばれ、住む人の運気を左右しやすいポイントといわれています。この部分に階段や中庭・吹き抜けなどがあると中心が欠けた状態になり、特に健康面でのトラブルに見舞われやすくなるようです。また、宅心部分に収納や水回り設備などがあるのも良くないとされます。

三所三備

家相の代表的なチェックポイントです。三所とは鬼門(北東)、裏鬼門(南西)、宅心(家の中心部)を指します。三備は玄関、キッチン、トイレを示します。家相では三所に三備がある場合は凶としています。

リビング

リビングの理想的な位置は日当たりの良い東・南東といわれています。一方、凶とされているのは鬼門にあたる北東の方位です。

キッチン

家相ではキッチンは東に設けるのがベストとしています。避けたい方位は鬼門(北東)・裏鬼門(南西)・宅心(家の中心部)など。また、トイレやお風呂・洗面所など汚れを落とす場所と隣り合わせになっていると健康トラブルが起こりやすいといわれています。

家族の部屋

夫婦の寝室は北西や南西が吉とされています。特に北西は主人の定位でもあるため、社会的地位がアップするなどの効果も期待できるようです。子ども部屋は太陽が昇る東、もしくは南東が良いとされています。そのほか、八方位の家族定位を参考にするという方法もあります。

トイレ

いわゆる三所(鬼門・裏鬼門・宅心)にトイレがあると凶相とされます。また、南東や北西、住民の十二支方位も避けた方がいいといわれています。

浴室

浴室は、三所(鬼門・裏鬼門・宅心)・北・南東・北西・住む人の十二支方位以外の場所にあれば凶相にならないといわれています。窓があるのも換気が良くなるため吉となります。

ベランダ、ウッドデッキ、バルコニー

家相では、ベランダやウッドデッキなどは外気と同じと捉え建物には含めません。このためある程度自由に設置することができますが、ベランダなどがあることで家の間取りに欠けが生じる場合は注意が必要です。例えば家の中心部にバルコニーがあると宅心に欠けが生じ、健康面での問題が起こりやすくなるとされています。

3、その他のチェックポイント

階段の下に仏壇や神棚がある

 階段の下に仏壇や神棚があると神様や仏様を踏んでしまうことになるため良くないとされています。階段の下には収納スペースやトイレなどを設けるのが吉となっているようです。

庭に池がある

家相では、庭に池があると水の澱みや湿気などが溜まりやすくなるため基本的には凶といわれています。ただし池の場所が日当たりの良い東や南東であれば凶の力が弱まるといわれています。

物置や別棟

住宅以外の別棟や物置は、メインの住宅の中心から見て北西か南東に位置するのが吉とされています。また、住宅からの距離は2.7メートル以上であることが望ましいようです。

注意点

注意点家の家相がパーフェクトであっても、適切な管理を怠ると良い運気が逃げてしまうといわれています。定期的に掃除をして家の中を清潔に保ち、空気の入れ替えを行って風通しを良くしておきましょう。部屋を明るくしておくことも重要とされています。

自宅があまり良くない家相であっても落ち込んだり、すぐに引っ越しをする必要はありません。家相が良くない場合、以下のような対策を講じることで凶の作用を弱めることができるといわれています。

  • 空気の流れを良くし、定期的に掃除をして悪い気を滞留しにくくする。
  • 部屋の照明や雰囲気を明るく保つ。
  • 水晶などのパワーストーンを置く。
  • 観葉植物を置く(世話を怠ると悪い気が生じることがあるため注意しましょう)
  • 家相鑑定やお祓いを受け付けている神社に相談してみる。

まとめ

まとめ家相では住んでいる家を鑑定するほか、家を建てたり引っ越しをする際にも活用できます。家相が完璧でない場合の対策方法があるのもポイントですね。住まいや暮らしで運気アップを図りたい際はぜひ家相を参考にしてみてください。