六壬神課(りくじんしんか)は中国で生まれた占術で、漢の時代にはすでに存在していたものです。紀元前2600年頃、中国の黄帝が九天玄女という女神から授かったという伝説も残っているほどの占術となります。
日本では平安時代にかの有名な安倍晴明が陰陽道を行う上で六壬神課を極めていたと言われています。事実安倍晴明は、占事略決として六壬神課についての書物を残しているほどです。しかし、平安時代より前の飛鳥時代にはすでに六壬神課は日本に伝来されていたと考えられています。
六壬神課とは
六壬神課は、占う日の日時を天文と干支による組み合わせで卜うため卜占いのひとつです。また、天文情報を取り出す時に式盤を利用することもあるので、式占の一種であるとも言えるでしょう。そのため占った時のその瞬間がとても大切になります。
六壬神課は相性占いに適している
六壬神課の特徴として、自分と相手の関係、自分と物の関係といったように、占う主体とその対象がはっきりとした占いに向いています。そのため曖昧な答えではなく、明確な答えを得られやすいというのも特徴のひとつです。例えば自分と恋人との関係や、自分と紛失物、試験の結果など今抱えている悩みに対しての答えを求めることができます。
具体的な問題や悩みなどがなく、全体的な運勢を占いたいといった時には向かない占いとも言えますが、本当に悩める人にとっては頼りになる占いでしょう。
六壬神課の占い方講座
六壬神課は陰陽師が学んでいたこともあり、適切に占えば的中率も高く迷いを取り除くことができます。しかし、学ばなければいけないこと覚えなくてはいけないことも山ほどあり、素人が簡単にできる占術とは言えません。ですから、これから六壬神課を学んでみたいという人に、基本的な占いの流れについて紹介します。
準備するもの
必須ではありませんが、六壬神課を行う時には、天地盤を作成するために式盤を使用することがあります。また、課式を自分のチカラだけで出すことができない人などは早見表を用意しておくと占いがしやすくなるでしょう。
占い方は?
- 六壬神課では占う際の時刻からその日の太陽の位置でもある月将と時刻の干支から天地盤を作成します。(この際に式盤を利用することもあります)
- 次に天地盤から四課を出します。四課には、一課から四課まであり、一課は日干、三課は日支から求めるのです。二課は一課から四課は三課から求めることが可能です。
- 四課を出したら、この四課と天地盤から三伝を計算しましょう。
- 次は貴人、蛇、朱雀、六合、勾陳、青龍、天空、白虎、太常、玄武、太陰、天后という十二天将を十二支に割り振ってください。
- 天盤十二神に吉神凶殺を配布し、天地盤の特徴や四課三伝から特殊な構成にあてはまるかどうかを判断することになります。天地盤、四課三伝から物事の吉凶を読み取っていきましょう。
一課と二課は自分、三課と四課は相手(対象物)を表しています。十二天将には、それぞれ意味がありますから、どれが当てはまっているかを見れば結果を出す事ができますね。三伝とは、初伝・中伝・末伝のことであり、簡単にいうと物事の始まり、経過そして結果を現しています。ですから占い内容の時間の経過による変化が分かるということです。
六壬神課をやる上での注意点
六壬神課は、同じ内容を何度も占わないようにしましょう。例えば昨日占った内容を今日もう一度見るといった具合です。六壬神課は何となく占ってみようかな…ではなく、この事について知りたい!という気持ちが最も高まった時に占うことをオススメします。
また、一度に複数の物事を占わないようにしましょう。恋愛についてと仕事について、これらを同時に六壬神課で占うことは出来ません。
占う内容は絞りこむようにしましょう。
まとめ
六壬神課は、吉凶を明確に判断することができること、自分と占う対象の関係や状態、詳細まではっきりと分かる事が魅力です。現在迷いや悩みがある、そんな人にぴったりな占いだと言えるでしょう。ただ結果や答えが求められるだけではなく、結果を得るまでの経過などが分かるのも六壬神課のメリットです。
占いを学んでいる人の中でも、六壬神課の的中率は非常に高いと言われており結婚や人間関係、商売など相手がある占いについてはどの占いよりも優れていると言われるほどです。明確な答えを出せる占いをしたいなら、六壬神課を学んだり六壬神課ができる占い師に鑑定してもらうと良いですよ。