ルーン占いは「ルーン文字」という古代文字を使った占いです。ルーンとはゴート語で神秘や謎を意味し、現在でも魔術的な文字としてファンタジー小説や映画、RPGなどに登場しています。占いとしても大変人気があり、運勢や吉凶を読みたい際におすすめです。
今回は、そんな神秘的なルーン文字を使った占いの特徴ややり方などについて解説いたします。
ルーン占いとは
ルーン占いとは、ルーン文字と呼ばれる北欧の古代文字を元に運勢などを読み解く占いです。
起源
ルーン文字はゲルマン人がラテン文字やギリシャ文字などを参考に作った文字とされ、1世紀頃には使用されていたといわれています。一方で、紀元前1300年頃にはルーン文字に似た文字があったとされる情報もあり、ルーン文字の起源には謎があります。
歴史
ルーン文字は筆記文字として日常的に使用されるほか、呪術やお守りとしても使用されていました。また、時代や地域に合わせて文字数や字体を変化させ、ゲルマンルーンや北欧ルーン、アングロサクソンルーンなどの種類が誕生しています。その後ラテン文字が主流になるにつれて徐々に使われなくなりますが、15世紀頃までルーン文字を使用していた地域もあったようです。ルーン文字が占いのアイテムとしてポピュラーになったのはラテン文字が普及してからといわれています。ルーン文字が魔術的な文字とされていたことや、古代文字を神秘的なものと捉えたことなどが要因となってルーン占いが盛んになったと伝わっています。
特徴
ルーン占いの特徴は、ルーン文字が刻まれたストーン又はカードを使用する点です。占いの種類としては、偶然の事象を元に運命や吉凶を判断する「卜術」の一種にあたります。ルーン文字のアルファベットは冒頭の読み方を取って「フサルク」といい、時代や地域などによって文字数や意味などが異なります。占いでは24個のルーン文字を使用する場合と、24文字にブランク(空白)を加える方法があります。ルーン文字にはそれぞれに意味があり、その意味を読み解くことで占い結果を判断します。ルーン文字にはアングロサクソン読みとゲルマン読みがありますが、どちらの読み方を使っても構いません。
ルーン占いで占えるもの
ルーン占いでは一問一答などのシンプルな占いのほか、恋愛運や仕事運、健康運などを占うことができます。毎日の運勢や1年の運勢を占いたい際にも役立ってくれるでしょう。また、問題の原因や対策を占うこともできるため、悩みを抱えている場合や問題解決の糸口を見つけたい場合にもおすすめです。
ルーン文字の意味
ルーン文字には正位置と逆位置がある文字があります。正位置・逆位置が決まっているのはfeoh・ur・thorn・ansur・rad・ken・wynn・nied・peorth・eolh・tir・beorc・eoh・mann・lagu・othelの16個で、上下の方向によって意味の解釈が異なることがあります。YesNoの質問の場合は、正位置がYes、逆位置がNoを示します。
アングロサクソン読み/ゲルマン読み | 意味 |
feoh(フェオ)/fehu(フェイヒュー) | 家畜、財産、所有 |
ur(ウル)/uruz(ウルズ) | 野牛、力 |
thorn(ソーン)/thurisaz(スリサズ) | 門、遅延 |
ansur(アンスール)/ansuz(アンスズ) | 神オーディン、コミュニケーション |
rad(ラド)/raido(ライゾ) | 乗り物、移動 |
ken(ケン)/kano(カノ) | 松明、情熱 |
geofu(ギューフ)/gebo(ゲーボ) | 贈り物、愛情 |
wynn(ウィン)/wunjo(ウンジョー) | 喜び、光 |
hagall(ハガル)/ hagalaz(ハガラズ) | 蕾、変化 |
nied(ニイド)/ nauthiz(ナウシズ) | 欠乏、束縛 |
is(イス)/isa(イサ) | 氷、凍結 |
jara(ヤラ)/ jera(ジェラ) | 年、成果(収穫) |
yr(ユル)/ eihwaz(エイワズ) | 終わりと始まり、復活 |
peorth(ペオース)/ perth(パース) | 秘密、チャンス |
eolh(エオロー)/ algiz(アルジズ) | 友情、保護 |
sigel(シゲル)/sowelu(ソウェイル) | 太陽、完全、勝利 |
tir(ティール)/ teiwaz(ティワズ) | 軍神テュール、闘志 |
beorc(ベオーク)/ berkana(ベルカナ) | 樺の枝、成長 |
eoh(エオー)/ ehwaz(エワズ) | 馬、動き |
mann(マン)/ mannaz(マンナズ) | 人間、自己 |
lagu(ラーグ)/ lagus(ラグズ) | 水、流れ |
ing(イング)/ inguz(イングス) | 豊穣神フレイ、実り |
othel(オセル)/ othila(オシラ) | 故郷、習慣 |
daeg(ダエグ)/ dagaz(ダガズ) | 1日、太陽運行 |
wird(ウィルド)/ blank(ウィアド)ブランクルーン | 運命、未知 |
ルーン占いのやり方
ルーン占いには「キャスト」と「スプレッド」の2種類の方法があります。キャストは木の枝やストーンを投げる占い方で、スプレッドは石やカードを特定の形に並べる方法です。占いとしてポピュラーなのはスプレッドですが、ここでは両方のやり方を紹介します。
キャストのやり方
まずはキャストについて解説します。この方法は、占いたい項目や質問の全体像や大局を知りたい場合に便利とされています。なお、質問や相談事項は分かりやすく具体的な内容にまとめておきましょう。
キャストをする上で準備するものは、
9本の枝(自然の木から取ったもの。ナナカマド、カバノキが良いとされています)。もしくはルーンストーン
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白い布
大きめの布を用意しましょう。
枝を使ったキャストのやり方
- シートを広げ、9本の枝を両手に持ちます。
- 質問を念じ、枝をシートにばらまくように投げます。
- シートの外に出た枝や、はみ出した枝を取り除きます。
- シート状に残った枝を見て、重なり合いなどからルーン文字に見えるものを探します。
- ルーン文字に見える形があれば、それが質問の答えを示しています。
このキャストのコツは、現れたルーン文字を直感で解読することです。ここでの文字の解釈に特にルールはありませんので、インスピレーションに任せて判断しましょう。
ルーンストーンを使ったキャストのやり方
- シートを広げ、袋の中のストーンを混ぜるように振ります。
- ストーンを袋から出して両手で持ちます。
- 質問を念じながら手に意識を集中させ、布にストーンを放り投げます。
- 布の外に出たストーンや裏向きになったストーンを取り除きます。
- 残ったストーンを見て結果を読み取ります。
つづいてストーンやカードを特定の形に並べるスプレッドについて説明します。
スプレッドのやり方
準備するものは、ルーンストーン、ルーンバッグ、もしくはルーンカードです。
ルーンカード
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キャストのときと同様、質問や相談項目は具体的な内容のものを用意しておきます。
ワンオラクル
文字通り1個のストーン、1枚のカードを選ぶ方法で、ルーン占いのスプレッドで最も基本的な形になります。オラクルとは神のお告げなどを意味し、シンプルな質問や今日の運勢などを知りたい際におすすめです。
ストーンを使う場合
- 心を穏やかにして質問や占いたい項目を思い浮かべます。
- ルーンバッグの中からストーンを1つ取り出します。自然と手に入ってくるものを選ぶことがコツです。
- 取り出したストーンに描かれているルーン文字が答えを示します。文字の意味を解読して結果を判断しましょう。
カードを使う場合
- 心を穏やかにして質問や占いたい項目を思い浮かべます。
- よくシャッフルした後、カードの山から1枚を選びます。
- 選んだカードに描かれているルーン文字が答えを示します。文字の意味を解読して結果を判断しましょう。
ルーン占いのスプレッドには、ワンオラクルを基準とした様々なバリエーションがあります。次に初心者の方でも簡単に行えるスプレッドについてご紹介します。
スリールーン
3つのルーンから過去・現在・未来の状況や変化・意識などを読みます。あらゆる質問に対応できるスプレッドです。
- 心を落ち着け、質問を念じます。
- バッグの中から3個のストーンを、カードの場合はシャッフル後に3枚のカードを選び、横に並べます。
- 結果を解読します。左=過去、真ん中=現在、右=未来となります。
フォールーン
過去・現在・未来の状況や意識に加えて対策を占うことができます。スリールーンに1項目加わったスプレッドで、運勢だけでなくアドバイスも欲しいという方にぴったりです。
- 気持ちを穏やかにして質問を思い浮かべます。
- バッグの中から4個の石を、カードの場合はシャッフルした後で4枚選び、横に並べます。
- 結果を読みます。左=過去、左中央=現在、右中央=対策、右=未来となります。
シンプルな手順に慣れてきたら、5つのルーンを用いるファイブルーンにもチャレンジしてみてください。このスプレッドには2種類の解読方法がありますので、状況に応じて使用しましょう。
ファイブルーン
ファイブルーンを行う際は、どちらの解読法を用いるか占う前に決めておきましょう。
解読法①
左から過去・現在・未来・対策・将来を示します。
解読法②
左から全体像・挑戦・必要なものや行動・不要なものや犠牲・新しい状況
- 心を落ち着けて質問を念じます。
- ストーンを5つ、カードの場合は5枚を取り出して横に並べます。
- 結果を解読します。
ルーンの取り扱いに慣れてきたら、配置場所を変形させた複雑なスプレッドにも挑戦してみましょう。
ティールスプレッド
ティールとは北欧神話に登場する軍神テュールを意味します。問題や課題の原因などを探り、道を切り開いてくれるスプレッドです。
- 気持ちを落ち着けて質問を思い浮かべます。
- ストーンを7つ選び、左側、中央下、右側、上、左上、右上、中央に配置します。(木のような形になります)
- 配置されたルーンを見て結果を読みます。左側=問題の原因や本質、中央下=最も良い結果、右側=問題解決の障害、上=失敗や不安の原因、左上=過去の状況、右上=現在の状態、中央=今後の展開を示します。
ホロスコープ(12月展開法)
ホロスコープとは星占いでお馴染みの横道12宮のこと。このスプレッドでは12+1の13個のルーンを使用し、1年の運勢などを占います。華やかなスプレッドですのでぜひマスターしましょう。
- ストーンを13個、もしくはカードを13枚選びます。
- 時計でいうと9時の位置から反時計回りの方向で12個のルーンを配置し、真ん中に1つ配置します。
- 配置されたルーンの意味を解読します。
手順2で最初に配置したルーンを①として反時計周りに意味を解説します。
②2月の運勢・金運・財運、潜在的な才能
③3月の運勢・身近な交流関係、お稽古事
④4月の運勢・家庭や親しみのある場所
⑤5月の運勢・恋愛・娯楽
⑥6月の運勢・仕事や健康
⑦7月の運勢・公私にわたるパートナーとの関係
⑧8月の運勢・遺産・性関係
⑨9月の運勢・専門的な研究・勉強
⑩10月の運勢・ライフワーク
⑪11月の運勢・友人との関係・ボランティア的な活動
⑫12月の運勢・秘密や潜在意識
⑬12個のトータル結果やアドバイス、キーポイント
ルーン占いの注意点は?
真摯な気持ちで占う
ルーン占いを行う際は半信半疑な気持ちや雑念などを取り除き、真摯な気持ちで占いに臨むことが重要です。占い結果には占う側の心持が反映されやすいといわれているため、質問に集中して厳かな気持ちで占いましょう。
同じ質問を繰り返さない
同じ質問を繰り返し占わないように注意することも必要です。何回も同じ質問をするとルーンの精度が落ちるとされていますので、できるだけ1度目に出た結果で判断しましょう。どうしても再度占いたい場合は、その結果に対しての対策や改善点などを問う形で占ってください。あるいは数日経ってからもう一度チャレンジしましょう。
遠い未来の占いには不向き
ルーン占いは数年にわたる運勢を読むことにはあまり適していません。5年後10年後などの遠い未来の運気を知りたい場合は他の占い方法を使用しましょう。
ルーン占いの魅力
ルーン文字には古代文字ならではの独特の雰囲気や神聖さが感じられます。北欧神話とのつながりもあるため歴史やロマンが好きな人にはぴったりの占いといえるでしょう。ストーンやカードがあれば誰でも占うことができますので、毎日の生活に気軽に取り入れてみてくださいね。